書誌:行動療法研究,2010
伊藤 大輔・兼子 唯・小関 俊祐・清水 悠・中澤 佳奈子・田上明日香・大月 友・鈴木 伸一(2010), 外傷後ストレス障害に対する認知行動療法の効果ーメタ分析を用いた検証ー, 行動療法研究, 36(2),119-129
要 約 本研究の目的は、近年の外傷後ストレス障害(PTSD)に対する認知行動療法の効果をメタ分析に よって検証することと、PTSDの効果研究に関する今後の検討課題を明らかにすることであった。メタ分析の結果、PTSDに対する認知行動療法の有効性が明らかにされ、その適用範囲も拡張しつつあるこ とが示された。さらに、今後の課題として、(1)対象者の症状プロフィールや状態像を考慮した介入法 の検討を行うこと、(2)薬物療法と認知行動療法を組み合わせた際の効果について検証すること、(3)治療効果に作用する治療技法および要因を特定し、効率的かつ適切な介入法を検討すること、(4)治療 効果に影響を及ぼす治療技法以外の要因について検討すること、などが指摘された。