書誌:Human Developmental Research,2013
Human Developmental Research 2013.Vol.27, 131-136
早稲田大学大学院人間科学研究科 石島 このみ 早稲田大学人間科学学術院 根ヶ山 光 一
要 約 触覚的体験が豊富な乳児期において,身体接触は母子の関係性を規定する重要なファクターであると考えられる。母子の自然な遊び場面においても,身体接触を伴った遊びがしばしば観察される。しかしながら,そこにおける母子のやりとりについての丁寧な検討は,未だほとんどなされていない。そこで本研究では,発達初期の母子の身体接触遊び場面においてどのような相互作用がなされ,発達的にいかに変化するのか,そしてそれらの身体接触遊び体験が母子の関係性や乳児の社会性の発達にどのような意味や機能をもたらすのか,といったことについて,やりとりのマルチモーダルな時系列的構造に着目しながら詳細に検討する。本稿では特に,本研究の中間報告として研究の問題と目的,方法,現在の進捗状況について報告する。
【キーワード】身体接触遊び,母子相互作用,マルチモダリティ