書誌: 行動療法研究, 2013
武井優子・尾形明子・平井 啓・小澤美和・盛武 浩・真部 淳・鈴木伸一 (2013), 小児がん患者における病気のとらえ方の検討, 行動療法研究, 39(1), 23-33.
要約
本研究の目的は,小児がん患者の病気のとらえ方の特徴を明らかにすること,また,個人 の属性によって病気のとらえ方に違いがみられるのかを検討することであった.小児科外来通院 中の 25名の小児がん患者を対象に半構造化面接を実施した結果,病気のとらえ方に関する 11の 構成要素が抽出された.また,患者の属性による違いを検討したところ,「視野,考え方が広がった」「人の痛みが分かるようになった」「貴重な体験だと思う」「病気になったのは仕方がない, 諦めている」の4つの構成要素において, 19歳以上の患者の方がそれ以外の年代の患者よりも 回答頻度が高かった.これらの結果から,小児がん患者は,成長に伴い多角的なとらえ方をする ようになることが示された。