著者
根ヶ山光一
所属
題材
発達
被検体
ヒト
データ収集方法
実験
専門分野
発達心理学
評価指標
行動観察
キーワード
マルチモダリティ身体接触遊び母子相互作用
概要

書誌:発達研究,2014

石島このみ・根ヶ山光一(2014)母子における身体接触遊びの初期発達―遊びの種類とマルチモーダルな時系列構造に着目して―,発達研究(査読なし),28,1-12.

要 約

本研究では,母子の身体接触遊び場面においてなされる遊びのタイプとその発達的な差異について,生後半年前後の母子に着目して検討した。その結果,低月齢群ではリズム遊び,高月齢群ではリフト遊びが有意に多くなされていた。次に身体接触遊びにおける文脈の有無について検討を行ったところ,文脈のある身体接触遊びは高月齢群において有意に多くなされていた。さらにそこでの時系列構造に着目すると,やりとりの中に導入や盛り上がりといった文脈が明確に存在していたことが確認され,かつ高月齢の事例では,母親が盛り上がりの前に動きを停止させて「間」をつくり,同時に乳児も身体の動きを停止させるとともに母親の顔に視線をシフトさせるなどして,母子が文脈に沿ってマルチモーダルに行動を調律し合っている様相が示された。そうした日常において自然になされる文脈のある身体接触遊びが,乳児の予期や予測,萌芽的な意図の読み取りといった社会性の発達を支えている可能性がある。

登録日
2015年02月02日 00:06
登録者