著者
根ヶ山光一
所属
題材
被検体
データ収集方法
総説
専門分野
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キーワード
貧困児童養護施設社会的養護アロケア
概要

書誌:発達心理学研究 ,2012

平田修三・根ヶ山光一(2012),制度化されたアロケアとしての児童養護施設:貧困の観点から,発達心理学研究(査読あり), 23/4,460-469

要約

親以外の個体による世話行動は「アロケア」と呼ばれる。本稿では貧困など様 々な理由から生まれた家庭で育つことのできない子どもを社会が養育する仕組 みである社会的養護を「制度化されたアロケア」と捉え,凵本における社会的 養護の主流である児童養護施設で暮らす子ども,および退所者の体験に焦点を当て,その特徴を論じた。そこから見えてきたのは,制度化されたアロケアの機能不全であった。しかし,そうした状況ドにあっても,施設で暮らす子ども・退 所者が当事者団体を立ち上げて互いを癒し,社会に働きかけていくケースがあ ることについても確認され た。こうした当事者団体の活動は,機能不全状態にある社会的養護の現状および社会の認識を変えていく可能性をもっている。現代の日本社会には産むことと育てることの強力な結合の規範が存在するためその実現は容易ではないが,核家族の脆弱性が顕在化しつつあるなかで,成育家族以 外にも多様な養育の形態がありうると認めることはひとつの時代的・社会的要請 であると考えられた。

登録日
2015年02月02日 00:06
登録者