書誌: 行動療法研究 , 2012
田上 明日香, 伊藤 大輔, 清水 馨, 大野 真由子, 白井 麻理, 嶋田 洋徳, 鈴木 伸一. (2012). 行動療法研究,38(1),11-22. 要 約 本研究の目的は、うつ病休職者の職場復帰の困難感を測定する尺度を作成し、さらにその尺度をもとに職場復帰の困難感の特徴を明らかにすることであった。単極性のうつ病と診断された 34名を対象に職場復帰の困難感について自由記述による回答を求め、項目案を作成した。次に、単極性のうつ病と診断された休職者 60名を対象にその項目について探索的因子分析を行い、「職場で必要な体力面の困難」「職場復帰後の対人面の 1困難」「職務に必要な認知機能面での困難」の 3因子10 項目から構成されることが示され、十分な信頼性と内容的妥当性、併存的妥当性が確認された。そこで、職場復帰の困難感尺度を使用してタイプ分類を実施したところ、四つの類型を得た(全般困難型、復職後の対人関係困難型、体力・認知機能困難型、困難少型)。最後に、それぞれの類型にあわせた支援について議論がなされた。キーワード:うつ病 社会機能 職場復帰の困難感尺度 休職者