著者
根ヶ山光一
所属
題材
発達行動
被検体
ラットヒト
データ収集方法
調査
専門分野
発達心理学
評価指標
質問紙
キーワード
親の保護地震環境対応能力子別れ自律性
概要

書誌: 発達心理学研究,2010

発達心理学研究 21(4), 386-395, 2010-12-20

根ヶ山光一(早稲田大学人間科学学術院)

環境対処能力の発達を明らかにする目的で,1995年1月に発生した兵庫県南部地震への子どもと親の反応が兵庫県下のニュータウンで調べられた。対象とされたのは同ニュータウンの私立Y幼稚園に通園する園児とそのきょうだい315名(0〜16歳;平均6.1歳,SD=2.4;男児176名,女児136名;第1子166名)とその両親である.地震発生時75.2%の子どもが親と同室就寝しており,10.5%が一人で寝ていた。地震に対して親は大きな驚きを示したが,子どもの約30%は驚きをほとんどあるいは全く示していなかった。年少の子どもほど驚きが少なく,その変節点は7歳であった。親の多くは子どもを抱いたりその上におおい被さったりして,身をもって子どもを守ろうとしていた。それは幼い子どもの場合により顕著であったが,手を握って安心させる,あるいは声をかけるという保護行動が年齢とともに増加していた。子どもの自発的行動は,親のもとに来るという行動から布団をかぶるという行動へと発達的に変化していた。これらの結果をもとに,子どもの生命を誰がどう守るのかが子別れの観点から議論された。   

登録日
2015年02月02日 00:06
登録者